CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

アイコン

まるでアイコンのような模様の特徴のある壁です。鉄板をプレスで抜いたのでしょうか。見てみると並び方に規則性がないので、一枚を一度ではなくひとつひとつ抜いたんでしょう。かなりインパクトがあります。

こういうアイコンめいたものが並んでいると、人間は自然とその形に意味を見つけようとしてしまいます。

ハートなら愛や心臓や心、十字なら病院や数字、丸ならボールや星やそれともただの穴、三角ならピラミッドや三角コーン。なんだか連想ゲームのようです。

アイコンの意味を調べてみますと、コンピューターのファイルやアプリケーションをシンボリック的な形であらわすものとあります。1984年のMacOSで採用されたとありますが、ちょっと詳しい人ならMacOSのがアイコンの最初ではなく、Lisaのほうが早く、またそのLisaもAltoというコンピューターの試作GUIのSmalltalkからアイデアを得たといわれます。

ですがその時代にはアイコンを用いたユーザーインターフェース的なアイデアは、すでにかなりありました。文字や数字だけでコマンドを入力するCUIに比べて、直感的に操作できるGUIのアイコンを採用する流れは、何が最初かというよりもあちこちで自然発生していたと考えたほうがよさそうです。

そんなコンピューター界隈で使われるアイコンですが、日本人はもっと昔からアイコンのようなシンボリックなものに親しんできています。

それは家紋です。

家紋も植物や動物などの色々なモチーフを、かなりシンボリックに簡略化して描かれています。そのモチーフの持っている特徴の着眼点や、再構成の仕方を見ると素晴らしいアイデアが詰まっています。

そんな家紋を愛してきた日本人は、かなりのアイコン好きなんだと思います。この写真のように壁にアイコンをいっぱい並べたくなるような、アイコンマニアがいても不思議ではありません。

そこから導き出される答えは、この建物はアイコンマニアの仕業です。