CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

写真は撮影者の精神的状況を写し出すのか

よく絵画ではこの頃の画家の精神的状況は~で、その影響が色使いに表れています。なんていう解説をされたりします。小説なんかも筆者の人間関係の影響が作風に表れています、など言われます。

では写真にはそういう撮影者の精神的状況、心理描写などが反映されたりするのでしょうか。

わたしの場合はスナップ撮影がメインですので、被写体は基本的に選べません。ただその被写体のアプローチによって、精神的状況などがわかるかもしれません。

例えば街を漠然と撮っているとか、街中なのに街の風景は撮らずに置いてあるものばかり撮るとか、やや寂れた建物ばかり撮るとか、暗い路地ばかり撮るとか。普通のスナップはそれらの被写体をまんべんなく撮りますが、被写体が偏っている場合はなにかの精神的状況を表現しているかもしれません。

都会のスナップなのに通行人が全く写っていないなんてのは、後にこの時期の撮影者は人間不信に陥り~とか解説されそうです。

あとは露出で異様にアンダー傾向とかだと、この撮影者は鬱を患っており~とか適当なことを言われそうです。わたしは昔ポジフィルムを使っていた影響で、オーバーよりはアンダー傾向に撮る癖があります。見る人から見たら「この人根暗だな」とか思われるのかもしれません。

あくまで個人的な感想ですが、女性は露出をオーバーにする傾向があるような気がします。ジメッとしたアンダー露出より、カラッとキラキラしたオーバーの露出のほうが女性受けは良い気がします。

スナップはそこにあるものしか写せませんが、モデルや被写体を自前で用意するスタイルの写真家は、作風がより濃く精神的状況を反映すると思います。モデルの傾向とか、服装とか、ポーズとか、撮影場所とか、小物とか、ライティングとか撮影者の好みがかなり反映されます。

そこであまりにも前衛的で奇抜すぎる写真を撮ったりすると、撮影者は精神的状況を分析されたりするかもしれません。

でも写真ってわりと実験的に撮る場合が多いので、絵画や小説何かと比べてあんまり出来上がった作品と精神的状況はリンクしないかな?と思っています。