CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

レンジファインダーで撮るスナップの良さ

X100Fはハイブリッドレンジファインダーといって、OVF(光学ファインダー)とEVF(電子ビューファインダー)が選択できる割と変態的なファインダーです。

しっかり撮りたいときは撮影画像と同じ像で見ることができるEVFを使うんですが、気軽なスナップのときはOVFを使います。

OVFの良さは簡単に言えば素抜けの覗き窓なので、EVFに比べて被写体を直に見ることになります。このため非常にすっきりと被写体を見ることができます。

また途中で電気信号に変換しないので、物理的にタイムラグはありません。なのでシャッターチャンスのズレを最大限小さくすることができます。

X100FのOVFはEVFの撮影フレームよりも一回り外側を見ることができます。この一回り大きいというのがスナップ撮影においてかなり使いやすく、被写体の切り取りがとてもやりやすく感じます。

OVFの弱点というかデメリットとしては、レンズの軸とファインダーの軸がズレているため、被写体に近づけば近づくほど撮影フレームとのズレが大きくなります。そこら辺のズレは経験で補うものだったんですが、X100FのOVFは撮影フレームのズレもOVFに表示できるので安心して撮影することができます。

あともちろんEVFのように撮影画像そのままではないので、撮影して出てくる画像を想像して撮ることが必要になります。なのでEVFなら露出補正は見ながらできますが、OVFは自分の勘が頼りです。

でもそんな露出を想像しながら補正するところが、銀塩フィルムのようで楽しくもあります。そういうのが楽しく感じるのは、ノスタルジィに浸っているおっさんの証拠ですね。もちろんデジタルなので撮影した後に画像を確認すれば失敗も減りますし、失敗したくない場合には最悪EVFを使えばいいことです。

ただEVFでファインダーを覗くと、仕上がり後の画像が見えてしまうので構図から露出、色やピントを意識しなくてはならず、どうしても撮影するまでにもたもたしてしまいます。

その点OVFは覗いて撮るだけ。そのために被写体を見つけてからシャッターを切るまでの時間の大幅な短縮になります。その軽快な撮影リズムが、スナップ撮影していて気持ちいいと感じることがよくあります。ほんとよくできたカメラです。

こんな楽しいレンジファインダーデジタルカメラを出してくれた富士フィルムさんに感謝です。

えっ、なに?ライカ?高いわ。X100F何台買えるっちゅうねん。