CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

キャンディッド・フォトやってみた

巷で話題のキャンディッド・フォトをやってみました。事前にモデルの馬さんには了承をとっているので、迷惑行為で撮った写真ではありません。

まずはモノクロにして、クネクネ怪しい動きをしながら対象に近づき、目の前に立って進行方向を塞ぎ、すれ違いざまに嫌がっている顔にカメラを向けてシャッターを切る。そしてそのままニヤリと怪しい表情のまま去っていく。

どうです、馬さんがすごい嫌そうな顔していますね。まさに緊張感のある覚悟を決めたいい写真です。これを極めればカメラメーカーから新製品を提供されてしまいますね。

この写真は馬さんに許可を取りましたので、肖像権の問題もありません。

・・・もうこのへんでいいですかね。個人的にこの撮影方法はキャンディッド・フォトではないと思います。

キャンディッド・フォトとは撮影対象に気づかれずに、自然な表情を撮るものです。このやり方はわざわざ撮影対象を不快にし、迷惑行為をし、睨まれる状況を誘発して撮る撮影方法です。

Twitterで「あれはキャンディッド・フォトというジャンルだ」というのを見かけましたが、相手に気づかれてそれでも強引に撮影するのは全然違います。わたしはただの迷惑撮影だと思います。

また「気づかれているから盗撮ではない」という意見もありましたが、盗賊は気づかれても盗んでいきます。強盗もそうです。盗むという字にこっそりという意味はありません。おおっぴらに奪っていくのも盗撮です。

渋谷で楽しい一日過ごすはずだった時間を不快な行為で盗んでいく、これも立派な盗撮です。

あの写真家のことを考えるとイライラしてくるので、もう今回でおしまいです。あの件は最悪の事例として反面教師とし、節度あるスナップ撮影を心がけることにします。