CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

昔のプロより今の素人

銀塩フィルム時代のカメラの撮影枚数は、多くても36枚撮りのパトローネが限界でした。それ以上はフィルム交換をしなければいけません。その少ない撮影枚数で被写体を見つけ撮影し、現像して結果を見て反省したり勉強しなければいけません。

今のデジカメなら画質によりますが、数百枚から数千枚くらいは連続で撮れます。銀塩フィルムのパトローネにして10~100本分になります。

そして露出は基本マニュアル。オート露出でも測光方式により癖が出るので、被写体によって露出補正をしなければいけませんでした。プロになるには露出を外さないことは最低条件です。

そのため昔のカメラ雑誌なんかだと露出計の使い方なんかが記事になっていました。今のカメラ雑誌は読んでないのでわからないのですが、カメラの性能が上がりよっぽど露出を外すことはないと思います。

仮に露出が外れても画像処理ソフトである程度は修正できてしまいます。つまり露出の正確さはプロの最低条件ではなくなってしまいました。

もちろんスタジオ撮影やモータースポーツや物撮りの失敗できないシビアな条件下では、プロの出番でしょうが今ではプロもその場で結果がわかるので、少しくらい失敗しても取り返しがつくようになっています。

そうなると露出や癖のあるカメラの操作方法なんかを習得しなければいけなかった昔のプロより、そんな技術を覚える必要もなく、純粋に被写体やシャッターチャンスに集中できる今の素人の方が作品を作る上で有利な気がします。

プロになるまではお金もないのでアルバイトして、やっと手にしたバイト代でフィルムを買って現像し、それほど撮影枚数も稼げなかった昔に比べ、気兼ねなく数千枚数万枚も撮影できる今のほうが撮影技術も上がりやすいでしょう。

とはいえ漫然と撮影回数を稼いでいるより、常に限界ギリギリの精神力で撮影するほうが実力は上がりやすいので、あんまり変わらないのかもしれません。

はい、わたしはゆるく漫然とシャッターを切っているので、あんまり上達している気がしませんが何か?