CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

写真を懐かしく思うわけ

人によるかもしれませんが、多くの人は写真を見ると懐かしい気持ちになるのではないのでしょうか。

その理由として考えつくのは、写真は撮った瞬間から過去のものだからです。写真を撮る瞬間、シャッターを押して風景を取り込み、画像センサーもしくはフィルムに光が乗っかった瞬間、すでに写真は過去のものになります。

あたりまえですが、どんなにがんばっても写真は未来のものを撮ることはできません。その過去の時間を今を生きる私たちが見れば、懐かしくなるのは当然の結果です。

なので上の写真のように古びた建造物は、過去を撮る写真とは相性がいいのです。そしてどこか懐かしい思いになる。すこし後ろ向きですかね?

逆に未来を撮ることができるカメラなんてあったらどうでしょうか。未来はこんなにも素晴らしい街並みになって、綺麗な建物が立ち並ぶ。そういうのが撮れるカメラがあったら、写真を見るときにどんな気持ちになるのでしょうか。

もし未来を写すことができても、やはりその場所にあった昔の建物を思い出して懐かしく思うかもしれません。なんだかんだ言って、人間は昔を懐かしく思う生物なんでしょう。

そう考えると写真とは記録だけでなく、人間の思い出を呼び起こすスイッチのようなものなのかもしれない、なんてグダグダ考えたりするのです。