CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

炎上してるX100VのPVの件

どうやらX100VのPVで炎上していたようです。っていうか今もしてます。

FUJIFILM公式からはその炎上動画は消されてしまっていますが、Twitterでアップされていたのを見ました。その内容は通行人の進路を妨害してまで目の前に立って、いきなりドアップで顔を写すというもの。

ひっどいなぁ。こんなのスナップじゃないです。こういう大道芸のような撮影方法があるのは分かりますが、スナップじゃなくて名付けるなら通り魔撮影です。

スナップ撮影はその場の空気を写すもので、周りの人に撮影者を意識させたら負けだと思っています。まして迷惑がらせるなんてのは愚の愚です。

ほとんどのスナップ撮影をする人は、他の人が不快にならないように気を使っています。それができてあたりまえ。それができないのならただの迷惑行為です。

そもそもスナップ撮影の定義というものが難しいので、人によってスナップ撮影の定義は様々です。

人間を撮らなければスナップじゃないという人もいるし、道端のゴミを撮るのもスナップだという人もいます。わたしの場合は後者です。ファッション雑誌なんか見ると、通行人を呼び止めてファッションをチェックすることがストリートスナップなんてあったりします。

その解釈の難しいスナップ撮影をよくわからない広告代理店が、これまたよくわからない動画制作会社に丸投げしてしまったのでしょう。そのためにこんな怪しいカメラマンを使うことになってしまいました。

しかし出来上がったPVを見てなぜNGを出さなかったのか、FUJIFILMも同罪です。

カメラメーカーはカメラを作るのが仕事で、技術者たちは命がけでいいカメラを作ります。でもメーカーは広告を広告代理店やCM制作会社に投げてしまいます。その投げたときにろくにすり合わせもせずに、価値観の相違が生まれてしまうのがこんな変なPVの原因だと思います。

そもそもFUJIFILMはなんでこんなみすぼらしい人(失礼?)を、自社の素晴らしい商品のPVに使ってしまったのか。スナップ撮影をする人はこんな猫背の不審者だと刷り込ませたいのか。この人は広告代理店のコネで起用された、勘違い系カメラマンなのではないのか。こんな人が使うカメラを誰が買いたいと思うのか。

このカメラマンがいままでこんな作風が許されていたのは、マイナーすぎて誰も相手にしていなかったからで、X100VのPVというメジャー舞台で同じことをしたらそりゃあ炎上するでしょう。

そもそもスナップなんて地味なもんです。見た人がびっくりするような過激な絵になる撮影手法ではないです。それじゃあ面白くないじゃん、と言われてしまいますが、スナップ撮影の99%は面白くないもんです。

そんな面白いものばりが日常だったら、面白いものが当たり前になってしまい、結局つまんなくなっちゃうでしょ?つまんない日常にふいに現れる面白い光景の写真が撮れたり、撮れなかったりするのがスナップの面白さなのです。

なるほど、ポエムか。

最後までつまんないおっさんの愚痴を読んでくれて、ありがとうございました。

追記:あのPVは外注ではなくFUJIFILM社内で制作したものだったそうです。おいおい、なにやってんのFUJIFILM。ちょっと感覚がズレてやしませんかね?