CAMERA OBSCURA

スナップ写真と日々の雑感

空へ向かうジグザグ

鉄骨階段がジグザグに夜の空に向かって延びています。灯りに照らされた美しい折り返し階段は、鉄骨階段マニアのわたしとしてはかなりの高得点を付けます。

鉄骨階段の魅力は省スペースであり、武骨でもあり、昇降という必要最小限の機能が醸し出す機能美ですね。のっぺりしたビルにデザイン的にアクセントを与える役割(?)もあります。

鉄骨階段は建物と土地にあわせて特注されるので、同じデザインは滅多にないというオンリーワンです。同じ時期に同じ規格で作られてない限り、おそらく同じ形にはなりません。

しかも材質が鉄という都合上、塗装が劣化して表面がむき出しになると錆が浮き出てきて経年劣化します。その劣化具合も時間の経過を感じさせ味があります。

また錆が浮き出てきてもケレンで削り取って塗装しなおせば、再び綺麗になります。そのペンキを塗られたばかりの鉄骨階段もまたリノベーション、リフォーム心をくすぐります。

残念ながらそういう再塗装を施されずに放置されている鉄骨階段もあります。もともと地面に埋まっていた鉄鉱石を鉄骨に加工し、工場で鉄骨階段に生まれ変わり、そしてボロボロに錆びて朽ちてゆき、やがてまた地面に戻っていく。

地球にやさしい、というかもともと地球の一部だったエコな鉄という材料の良さを味わうことができます。

そんなわけで鉄骨階段を見るとカメラで撮りたくなるのです。